2016年3月31日木曜日

お味噌汁に美味しいアサリ

こんにちは、龍の壺スタッフ ナッキーです。
暖かくなってきたので、最近はちょっと早起きして
お味噌汁を作っています。

このお味噌汁、別名は「おみおつけ」なのですが、
漢字ににすると「御御御付け」。
最初は単に「御汁(おつけ)」と呼んでいたものが
転化していった結果だそうです。

そんなわけで、
今回は御御御付けの具材としてお馴染みの
アサリについてのお話です。



アサリの選び方をみてみましょう。
アサリは淡水の流れ込む内湾を好みますが、
内湾の陸に近くに住むものより、
沖合の水のきれいな場所に住むものの方が美味しいです。

貝殻は布目で色々な模様があります。
陸に近いところのアサリの貝は丸っこく色黒っぽい色をしており、
沖のものは扁平で幅があり、模様がはっきりしており見た目にもきれいです。
アサリの旬は潮干狩りが盛んに行われる春3~5月と秋の9月ごろです。
産卵前で身が太っているこの時期が美味しいとされています。

全国どこでも獲れますが、東京から千葉にかけての内湾のものや
北海道釧路管内で獲れる天然大あさり、三重県の内湾のアサリが有名です。

アサリはよく知られているようにビタミンや鉄分が豊富に含まれているため
貧血を防ぎます。良質のタンパク質、タウリンが血液サラサラに役立っています。

かつて深川の漁師たちが、醤油やみそで煮たアサリに葱を加え、
ご飯の上にかけたのが始まりの深川めしは今も庶民の味として親しまれています。
現在はアサリを焚きこみご飯にして味わう料理も深川めしとして人気となっています。

アサリ汁は貝を水から煮て殻が開いたらみそを溶く。
これだけで充分に出汁がでて美味です。

他にも、アサリの酒蒸しは春キャベツと一緒にするとより幅が広がり、
アサリの佃煮は旨みをぎゅっと閉じ込め長期保存が可能できるなど
料理方法は多種多様です。

変わったところでは、渥美半島海沿いの地域ではお祝いのとき作る
「アサリの押し寿司」がアサリの美味しさを充分に引出した優れものです。
春が旬のアサリは季節の始まりを感じさせる食材の一つですね。





福岡中洲の寿司屋 -鮨と炙り 龍の壺

福岡市博多区中洲2丁目515 1ラインビル 1F
TEL 092-282-1010 
営業時間:1800~翌300 
定休日:日曜日


2016年3月29日火曜日

とろける白身魚カレイ

こんにちは、龍の壺スタッフ ナッキーです。
この前のお休みに親戚と食事に行ったのですが、
姪っ子が随分大きくなっていてびっくり!
好きな食べ物は?と聞いたらすかさず
「エンガワ!」
…将来が楽しみです(笑)
というわけで、今回のコラムは
エンガワでおなじみ、カレイについてです。


カレイは日本中に広く生息している魚ですが、その種類は驚くほど多いです。
代表的なマカレイ、マコカレイ、アカガレイ、ナメタカレイなど40種類以上もあります。
種類は違えども美味しくなる旬の時期は寒くなってからで、この時期に脂を蓄えています。
似た魚にヒラメがいますが、カレイとはまったく違う魚で
カレイはカレイ目カレイ科に属しています。
日本で一番とれているのがマガレイで、寿司屋さんのタネとして通常使われており、
カレイ特有の甘みとあっさり感が楽しめます。
また高級カレイとしてはマコガレイが貴重で、
淡白な印象の強い白身魚の中でも脂ののりが一段と高く
寿司タネほか揚げ物にもおすすめです。
カレイのエンガワも濃厚な味が魅力で、
ヒラメにも劣らないエンガワの握りに納得することさえあります。
北陸ではカレイの王様と称される「笹カレイ」が
今や水揚げが激減し貴重品となっています。
身は繊細で脂の質も他のカレイでは真似できない上質の脂が特徴です。
焼いたの時の芳醇な香りもよく、この味はまさに王者の名にふさわしい味わいです。
カレイをこよなく愛している地域が東北三陸地域から仙台湾にかけての地方で、
ババガレイ(別称ナメタカレイ)が正月には欠かせない風習があります。
この地方の各家庭では大晦日になると筒きりにしたカレイを腕によりをかけて煮つけます。
煮汁を絡めた肉厚の身は脂ののりが最高で濃厚なうまみ口に広がります。
ひれの部分はコラーゲンタップリ。
子持ちは子孫繁栄の象徴として食べられており、
昔からカレイとともに生きる人たちがそこに営みを続けています。


福岡中洲の寿司屋 -鮨と炙り 龍の壺

福岡市博多区中洲2丁目515 1ラインビル 1F
TEL 092-282-1010 
営業時間:1800~翌300 
定休日:日曜日



2016年3月28日月曜日

出世魚、スズキ

こんにちは、龍の壺スタッフナッキーです。
先日学生時代の先輩が辞令を受け取ったそうで、
週末にお祝いしてきました。
春は出世シーズンだなと思った次第です。
というわけで、今回は出世魚、スズキについてのお話です。



 スズキはブリと同じように出世魚です。
幼魚をコッパ、15センチ以下をハクラ、15~18センチをセイゴ、
2~3歳でハネ、4歳以上・60センチ以上がスズキと呼ばれます。

スズキの名はその身が白くすすいだようにきれいだったことから
名付けられたとの説があります。体全体は銀白色に輝き、
形はあくまでスマートな流線形で、気品のある魚といえるでしょう。

 スズキは白身魚として、冬ヒラメ、春のマダイに夏スズキと言われるほど
夏の旬の高級魚として誉たかい存在です。北海道から九州地方の内湾で
獲れる魚ですが、関東より関西で人気が高いです。

 淡泊な中に独特の風味の透明感のある白身で、川魚を思わせる香りも特徴です。
寿司屋さんでは鯛、ヒラメに並ぶ白身魚の人気で、絶品は夏のスズキのあらいで
冷水に浸された身がしまり、さっぱりとしながらコクのあるとても美味です。
冷酒があれば最高のひと時となるでしょう。

もちろん焼きにも向いていて、島根県の宍道湖地方では、
湿らせた奉書に包んで蒸し焼きにした「スズキの奉書焼」が
名物料理として長く受け継がれています。

寒い時期に脂ののった魚にであうことはよくありますが、
暑い時期に最高に美味しくなるスズキはとても貴重な魚です。



福岡中洲の寿司屋 -鮨と炙り 龍の壺- 

福岡市博多区中洲2丁目5−15 第1ラインビル 1F
TEL 092-282-1010
営業時間:18:00~翌3:00
定休日:日曜日

食べログ

2016年3月25日金曜日

春告魚って何だか知っていますか?

こんにちは、龍の壺スタッフ ナッキーです。
昔から器を集めるのが趣味だったのですが、
最近は木の食器にハマっています。
アカシアがお気に入りなのですが、ぬくもりがあって
どんな料理もカフェっぽく素敵に演出してくれます。
器を変えるだけでも、普段の食事に特別感が出ますよ。



さて、最近めっきり春めいて、桜の開花も始まっているようですね。
今回は春を知らせる魚、シラウオのお話です。

シラウオ(白魚)は別名春告魚とも書いて文字通り春先に河口を遡り産卵し、
二月ころから市場に出回ります。シラウオはシラウオ科の海水魚で体長10cm、
半透明ですが死後白色不透明となります。名前が似ていますが博多の生おどり食いで有名なシロウオ(素魚)は
ハゼ科でまったく別物です。またシラスも別の種でこちらはカタクチイワシ、イカナゴの稚魚です。
よく似ていますが、別の生き物ですので区別しておきましょう。

シラウオの寿命はわずか1年で2~4月に産卵すると死んでしまいます。
徳川家康がシラウオを好んだという記録があり、隅田川河口でとれるシラウオは、江戸庶民に
春を告げる馴染み深い魚であったようです。今でも東京佃島の住吉神社では毎年
「お神酒流し」というシラウオ祭りが行われています。

シラウオを選ぶ時はできるだけ透明感のある方がいいでしょう。
鮮度が高いとされています。シラウオにはカルシウムやマグネシウム、
リンなど骨の生成に不可欠なミネラルを含んでいます。
丸ごと食べることで、これらの栄養分を全部取り入れられます。

鮮度のよいシラウオは、刺身で食べるとその味わい深い美味しさが楽しめます。
また軍艦巻きのタネとして、江戸前寿司では昔から握られています。
天ぷらのネタとしても人気があり、シラウオのかき揚げは白身の旨みが堪能できます。
他にも煮物、酢の物、卵とじなど料理の幅がたくさんあります。

本来の味をじっくり味わうのでしたら、適度に乾燥させたシラス干し、
茹で干しがオススメです。ほのかな磯の香りと滋味を味わうことができます。
是非お試しください。


福岡中洲の寿司屋 -鮨と炙り 龍の壺- 

福岡市博多区中洲2丁目5−15 第1ラインビル 1F
TEL 092-282-1010 
営業時間:18:00~翌3:00 
定休日:日曜日

2016年3月22日火曜日

春が旬!春の季語「鰆」

こんにちは、龍の壺スタッフ ナッキーです。

暖かくなってきて、桜の開花も近づいてきましたね。
近所は梅が満開で、春の香りを風が運んできます。
花粉もそろそろ全盛期に入るのか、ティッシュが手放せません。

ということで、春の字が名前にも入っている
鰆(サワラ)についてお話しします。




俳句の春の季語ともなっている「鰆」。
晩春から初夏にかけての回遊魚であるサワラは
産卵のために外洋から瀬戸内海に押し寄せてきます。

土佐、紀州、そして岡山ではサワラの漁期となり
古くからサワラを獲って食べ、真子や白子を共に食べる文化が残っています。
特に岡山でのサワラの存在は特別なものがあります。

昔からサワラの消費の中心であることから、新鮮なサワラが岡山の市場に
夏季を除いて年中入ってきます。ゆえにサワラの値段は岡山で決まるとも
いわれています。

岡山は単に消費が多いだけではなく、サワラを扱うノウハウに長けてもいます。
鮮度低下も早いのですが、手でもっても身割れするほど身が非常に柔らかいので、
漁獲から水揚げ、輸送、さばきに至るまでサワラを曲げてはならないとのこと。

岡山だからこそのサワラに対する想いが受け継がれています。

 サワラは出世魚でもあります。体長約50cm以下はサゴチ・サゴシ。
それより大きくなるとサワラと呼ばれ、関西ではサゴシ→ヤナギ→サワラとなります。
大きいものになると体長1m以上にもなりますが、胴体は細長く、「狭い腹」から
「狭腹」(サワラ)となったそうです。

体型が細いからでしょうか、鰆は猛スピードで一生泳ぎ続ける回遊魚です。
回遊魚特有の濃厚な味を持っていて、脂ののっている鰆の刺身は
インドマグロの様にトロリとした食感を味わうことができます。
また皮がやわらかいので、皮目を炙っても美味しくいただけます。
もちろん煮つけや立田揚げ、お吸い物にもとても合いますよ。

サワラのメッカ岡山では、酢でしめた身とあらの煮汁で炊いた根菜類を混ぜ合わせた、
ばらずしが最高です。サワラを愛する人たちの想いが息づいている逸品です。



福岡中洲の寿司屋 -鮨と炙り 龍の壺- 

福岡市博多区中洲2丁目5−15 第1ラインビル 1F
TEL 092-282-1010
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