2016年4月28日木曜日

濃厚な旨みと甘み、ボタンエビ

こんにちは、龍の壺スタッフ ナッキーです。
食べ物の好みって、子供と大人では結構変わりますよね。
昔は好きだったものがそうでもなくなったり、
逆に昔は食べられなかったものが好きになったり…
ただ、今も昔も大好物!ってものも、あるのではないでしょうか。
今回は子供から大人まで愛される、ボタンエビについてのお話しです。



北海道の寿司店でエビを注文すると甘えびかボタンエビかと聞かれることがあります。
生で食べる最高寿司ネタの一つがボタンエビでしょう。
このボタンエビ、実は日本海で水揚げされる「トヤマエビ」が
今は「ボタンエビ」として出回っています。
トヤマエビは北海道沿岸でも沢山獲れ、ボタンエビとしてお店に並んでいます。
厳密にはこの2つのエビは別種です。

元々のボタンエビは水揚げが少なくなり、日本海や北海道の噴火湾ではなく、
太平洋側に生息し東北、相模湾、高知あたりまで獲れていましたが、
今は水揚げが激減し一般にはほとんど見かけることがありません。
水深300~500メートルの深海に棲み、産卵、排卵期が長いため
旬がはっきりしない不思議なエビと言われています。

ボタンエビ(本家)の姿は、赤い色というよりは、淡いオレンジ色をしています。
ボタンエビのもっとも美味しい食べ方と言えばやっぱりお刺身かにぎり寿司でしょう。
ボタンエビは生で食べてこそ美味しいエビと言えます。

でも獲れたばかりのボタンエビは身に甘さがあまり乗っておらず、
冷蔵庫の冷蔵状態で1日ほど貯蔵することで、身に含まれた酵素で熟成がすすみ
身に甘さがでてくるのです。身は柔らか過ぎずねっとりとした濃厚な旨みと甘みが
長く舌に残る味わいです。頭の中のみそも絶品で、生であれば身を食べる前に
頭の上部分をとり、頭に吸い付くようにミソを食べます。

生以外では天ぷらがおすすめです。熱を加えても身があまり縮まない特徴の
ボタンエビは身の甘さが天ぷらにしても引き立ちます。
車海老などより身が柔らかく、頭は素揚げにするとサクサクと香ばしく
酒の供にぴったりです。

市場にもわずかながら出回り、寿司店や高級割烹でしかお目にかかることのない
貴重なボタンエビですが、一度本物のボタンエビを味わってみてはいかがでしょう。




福岡中洲の寿司屋 -鮨と炙り 龍の壺- 

福岡市博多区中洲2丁目5−15 第1ラインビル 1F
TEL 092-282-1010 
営業時間:18:00~翌3:00 
定休日:日曜日

2016年4月27日水曜日

くるっと細長い貝、マテガイ

こんにちは、龍の壺スタッフ ナッキーです。
この時期シーズンの潮干狩り。
お休み中にお子さんと行くのもいいですね。
今回は西日本の潮干狩りでもよく獲れる、マテガイについて
お話しします。



マテガイは細長い二枚貝で、貝殻の形が細長く
四角い長方形の形をしているのが大きな特徴です。
貝の真ん中からは何も出ず、両端から口と脚を伸ばします。

2~5月ごろの潮干狩りでも以外と簡単にとることができます。
干潮時に干潟にマテガイの穴に塩を振り込むと砂の中から飛び出してきます。
満潮時には自ら砂地から出てくるので手で棒を抜きとるように捕まえます。

一番美味しい食べ方は焼きです。
殻のついたまま強火で焼いて、醤油やだし醤油を垂らす。
マテガイの甘味が強く感じられ、その美味しさにほれぼれします。
塩ゆでも身の柔らかさ味わうことができ、寿司ネタには塩ゆでがいいでしょう。

酒蒸しやワイン蒸しはマテガイからでるだしの旨みを楽しむことができます。
洋風にも合性がよく、にんにくと炒め、白ワインを注ぎ、煮汁にバターを加え、
マテガイと絡めたガーリックソテーも素材の味を引き出す料理としていかがでしょうか。

獲れたてのマテガイはうま味と甘みが強く、プリプリした食感も最高です。
関東ではあまりお目にかかれませんが、春に味わえるマテガイは貴重な味です。


福岡中洲の寿司屋 -鮨と炙り 龍の壺- 

福岡市博多区中洲2丁目5−15 第1ラインビル 1F
TEL 092-282-1010
営業時間:18:00~翌3:00
定休日:日曜日

食べログ

2016年4月26日火曜日

海の宝石、キビナゴ

こんにちは。龍の壺スタッフナッキーです。
最近お茶にはまってます。
おいしい緑茶をいただいたのですが、
たまにフライパンで炒ってほうじ茶にしたりすると、
また違った味わいで美味しいんですよね。

今回は様々な料理を楽しめる、
きびなごについてのお話です。



キビナゴは吉備奈子と書かれたりしていますがこれは漢字の単なる当て字のようです。
鹿児島では「帯」のことを「きび」と呼び、魚体の縞を帯と見立て
「帯の魚」(きびなご)と呼ぶようになったようです。

ニシン科で体調8~10㎝ほど。外洋を群れながら回遊してきたキビナゴは
春から初夏にかけて産卵のために海岸に押し寄せ、この時期、
脂がのって一番美味しい旬を迎えます。

海面すれすれに泳ぐキビナゴの大群は実に美しく、海の宝石と称されています。
静岡以西で獲れるキビナゴですが、昔から水揚げが多いのはなんといっても
鹿児島地方です。特に甑島周辺はキビナゴが豊富にとれ
様々な料理で食されてきました。

新鮮なキビナゴを味わうにはまずは刺身が一番です。
頭をとり、尾と内臓、骨を手で取り除き、開いて水洗いすると出来上がりです。
鹿児島では開いたキビナゴの背を上に丸いお皿に盛りつけた
「菊花造り」が名物で見た目にもとても美しい料理です。

またもろみと醤油に浸して漬けで食べるのも刺身とはまた違う味わいです。
甑島の漁師たちが好んで食べるのは炭火焼きです。網にのせ塩を振り、
焦げないように注意して表面に焼き色が付きカリッとなったらできあがりです。
中身がホクホクの旨みたっぷりのキビナゴがいただけます。
丸ごとなら天ぷら、唐揚げなども最高です。

キビナゴは非常に栄養価の高い食べ物でもあります。
魚の中でDHA含有率がもっとも高いと言われています。
またEPAやカルシウムも豊富なヘルシー食材です。
DHAやEPAは魚の油に含まれる不飽和脂肪酸で、
がんや脳血管疾患など成人病予防に効果があります。
美味しくまた体にいいキビナゴのパワーは絶大です。


福岡中洲の寿司屋 -鮨と炙り 龍の壺- 

福岡市博多区中洲2丁目5−15 第1ラインビル 1F
TEL 092-282-1010 
営業時間:18:00~翌3:00 
定休日:日曜日

2016年4月25日月曜日

日曜夕方でおなじみ、サザエについて

こんにちは、龍の壺スタッフ ナッキーです。
ゴールデンウィークが近づいてきましたが、
旅行計画などは立てられてますか?
私は旅行の代わりに日帰りで温泉に行く予定です。
海が近いので磯焼きなどもあるらしく、今からとっても楽しみです。



今回は磯焼きの定番、サザエについてのお話です。

水深5~6メートルの浅瀬でも見つけることができるサザエ。
日本各地に生息しているサザエは高級貝として人気があり、美味しさも最高クラスでしょう。

人のこぶし大、100gほどになるのに3~4年かかります。成長に長い時間がかかるため
養殖はされておらず、今出回っているサザエはすべて天然物です。

魚介料理でサザエのつぼ焼きは多くの日本人が大好きな味の一つとして人気がありますね。
磯の香りと丸かじりした時の歯ごたえがなんともいえません。

サザエは巻貝の中でも最も水揚げが多い貝です。日本海側あたりではサザエを殻ごと塩ゆでにして、
生姜醤油で食べるとのことですが、これが佳肴で日本酒との相性抜群です。
漫画サザエさんは福岡の玄界灘の海岸を散策した長谷川町子さんが考えついてそうですが、
福岡をはじめ長崎など九州エリアはサザエの主産地でもあります。

サザエの話をするとき必ずでてくるのがツノの大きさです。日本海など外海では
潮の流れが速いので体を支えるためにツノが大きくなるといわれています。
瀬戸内ではこのツノがほとんどないサザエとなるのです。

丸ごと焼きあげるつぼ焼き以外では、やはり刺身が絶品です。
歩留まりはやや悪くなりますが、身の甘さと潮の香りが、コリコリと食感とともに口の中に広がります。
ワタの部分はゆでで添えましょう。他にも酒蒸しやサザエの身を入れた炊き込みご飯、
さらにサザエカレーも近年各地で人気メニューとなってきています。

いろいろな料理でサザエの美味しさをぜひ堪能してみください。


福岡中洲の寿司屋 -鮨と炙り 龍の壺

福岡市博多区中洲2丁目515 1ラインビル 1F
TEL 092-282-1010 
営業時間:1800~翌300 
定休日:日曜日




2016年4月22日金曜日

針のように細い魚、サヨリについて

こんにちは、龍の壺スタッフ ナッキーです。
もうすっかり暖かくなりましたね。
まだまだ朝晩は冷えるので、お風邪など召されませんよう。

さて今回は暖かい春が旬の魚、サヨリについてのコラムです。



細魚または針魚と書いてサヨリと呼び、とても細身の魚です。
流線形のサヨリは群れをなし、海の中を矢のように走っていきます。
その有様は一度見ると忘れられないほど美しいものです。
沢(岸辺)に寄りに集まる魚の意味からその名がつけられたとされています。

銀色の光る魚体が海面を飛び跳ねる光景がみえると瀬戸内海には春が訪れます。
瀬戸内以外では千葉・茨城や北陸の石川などで多く水揚げされています。

口先の下あごが伸びている特徴が目を引きます。
この下あごの先端部分が赤い色をしていると新鮮な証です。
また触って硬く、ぬめっとしているものは脂がのっています。
表面は銀色に輝いていますが、内臓をとった内側にも黒い膜があり、
腹黒い人をサヨリのような人と呼ばれることもあるそうです。

室町時代の料理書に「生サヨリは刺身に吉、
またあぶりでも珍敷物で焼き方は醤油、酒を入れて焼き、
刺身で夏、食べる時はタデ酢がうまい」と書かれています。

白身の上品な味は緻密な肉質が特徴で、新鮮なものであれば刺身、
寿司が本物の美味しさを実感することができるでしょう。
大きめのサイズであれば細長い形を生かして大名おろしにして糸造りに、
また包丁を入れて巻いた御所車という造りにすれば身の美しさが引き立ちます。

さっぱりした身味は酢との相性がよく、三枚おろしにふり塩にして冷蔵し、
酢で洗ってから斜め切り、これにこがね酢をかけて食べると、
淡泊さが旨みとなって口の中に広がります。

香川県観音寺市では糸造りにしたサヨリを炊き立てのご飯にのせ、
もみ海苔を散らし、薬味に山椒、しょうゆをちょっとたらしてお茶をかける
サヨリ茶漬けが名物料理です。魚好きにとても親しまれているサヨリを
お好みの料理でいただいてみてはいかがでしょう。


福岡中洲の寿司屋 -鮨と炙り 龍の壺- 

福岡市博多区中洲2丁目5−15 第1ラインビル 1F
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食べログ

2016年4月2日土曜日

平安時代の神経衰弱?


こんにちは、龍の壺スタッフ ナッキーです。
この前、親戚の子が遊びに来ていて、
トランプなんかをして過ごしました。
神経衰弱なんて、随分久しぶりでしたが
案外やってみると楽しかったです。

神経衰弱ですが、日本でも昔から
似たような遊びがされていたのを知っていますか?
「貝合わせ」と言って
貝の裏側に絵を描いて、同じものを当てる遊びです。
1100年代平安末期に作られた「山家集」に
貝合わせについて西行法師が歌を詠んでいます。
同じような遊びでも、貝を使うとなんだか
優雅な感じがしますね。

今回は、貝合わせでも使われた
ハマグリについてのお話です。



ハマグリの語源は
浜にある栗のようだということでハマグリ、
石をクリと称していた時代に浜の石のようだ
ということでハマグリとの説があります。

日本で食べているハマグリは、
日本にもともといる2種の「ハマグリ」と「チョウセンハマグリ」
(チョウセンの名がついているが日本純粋種)と、
外国種で輸入物のタイワンハマグリ、
シナハマグリ、ミスハマグリがあります。

生きたままの貝を炭火で焼き、
貝がパッと開いたときの身の瑞々しいツヤはなんともいえません。
醤油を垂らし、ほおばると身の旨みと磯の香りが
口いっぱいに広がります。

欠かすことができないのが江戸前寿司ネタの
煮ハマグリ、通称「煮ハマ」です。
寿司職人の腕の見せ所が煮ハマの仕込みです。
お店によって細部は異なりますが
煮ハマといって実際は漬け込みが本来の作り方のようです。

ハマグリを下茹し、茹汁を使いタレを作り、
それに茹でたハマグリを味が染み込むまで漬け込む。
下茹で加減がとても難しく、柔らかすぎず、固すぎず。
漬け込みの時間も身に充分染み込む按配を大事します。
最近は原料不足で本来の煮ハマが寿司店に置けなくなってきてますが、
品書きにあったら是非お試しくださいね。




福岡中洲の寿司屋 -鮨と炙り 龍の壺
福岡市博多区中洲2丁目515 1ラインビル 1FTEL 092-282-1010
営業時間:1800~翌300 定休日:日曜日
食べログ

2016年4月1日金曜日

大きな目が印象的なメバル

こんにちは、龍の壺スタッフ ナッキーです。
もう4月ですね
街を歩くと新社会人のぴかぴかしたスーツが
目に付きます。
目がきらきらして、フレッシュな感じですね。

今日は目に関するお魚、
メバルについてお話しします。



目張または目丸が命名の由来とされ、
その名の通りに大きな目をもつメバルは
比較的浅い岩礁域や藻場に生息しています。

目が大きいからでしょうか、
視力がいいので網や釣り糸を見分ける能力が高く
獲りにくい魚とも言われています
釣り人にとってメバルは魚がなかなか釣れない
冬の時期を過ぎて、春先にまっさきに釣り上げられる
うれしい魚でもあります。

メバルの旬の時期はいろいろと意見があるようです。
春先から獲れるので春から夏が旬といい、
水温が下がり出産を控えた秋から冬に
脂がのっているという意見もあります。
地域によるのかもしれませんが、諸説あるのは
元来いつも美味しくいただける魚であるからなのでしょう。

「煮つけ魚の王者」と呼ばれるほど煮魚では最高の味が楽しめます。
ウロコが硬くて多く、また棘もあるので気をつけてください。
身崩れし易いので煮汁は魚の表面が出る位にして
煮汁をかけながら魚を動かさないことが大事です。

新鮮なメバルは煮付けると身が反り返り、
ほろほろと美しい白身が骨離れもよく食べやすいです。
白身には良質のたんぱく質、脂肪、ミネラルが
しっかりと含まれています。
さらにメバルにはコラーゲンも沢山含まれていますので、
煮汁もしっかりと食べましょう。


福岡中洲の寿司屋 -鮨と炙り 龍の壺
福岡市博多区中洲2丁目515 1ラインビル 1FTEL 092-282-1010
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